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2021/11/19 09:00
「Re:ゼロから始める異世界生活」より、京七宝バーキーホルダーが登場! スタッフが愛用していた金属プレートのキーホルダーに着想を得て、製作いたしました。できることなら、作品の世界観やイメージを反映しつつ、ファッションアイテムとしても満足していただける、洗練されたデザインにしたい……。
キャラクターをそのままの形で扱うのではなく、シルエットとして配置したデザインなら、大人の方にも使いやすいのではないか?
と考えました。
重厚な存在感のある金属プレート
七宝のガラス質にキャラクターの輪郭が透けて見える奥行き感
存在感と品の良さを感じさせるアイテム
この記事では、「Re:ゼロから始める異世界生活
京七宝バーキーホルダー」が、どのような工程を経て作られているのかについて、ご紹介します。
① デザイン作成〜地金の完成
•デザイン作成〜試作
•金型データ製作
•金型に彫刻する〜手作業による加工
•プレス加工
•抜き加工
② 七宝による着彩
•彩色前の準備 空焼き〜酸洗い
•彩色〜焼成
•粗研ぎ〜中研ぎ
•音波洗浄
•中間検品〜足し盛り
•仕上げ焼き〜酸洗い
•仕上げ研磨
③ 完成へ
•メッキ加工
•仕上げ
デザインやアイデアを製造部門の技術者によりその場で形にすることができるのが、社内一貫生産の強み
微妙な凹凸を表現する精妙な作業
>> プレス加工
金型を用いて、400トンで2回プレス。地金となる丹銅にデザインを圧写します。
プレス機
プレス加工によってデザインが圧写された
>> 抜き加工
プレス機で型抜きが終われば、地金の出来上がりです。
一つひとつ型抜きされる
型抜き前と型抜き後
② 七宝による着彩
>> 彩色前の準備 空焼き〜酸洗い
プレスが終わった地金を炉で空焼きすることで、プレス時についた油分や不純物を焼き切って落とします。
空焼きのときに生じたススは、酸で洗って取り除きます。
これらは、地金に七宝釉薬をしっかり密着させ、発色を良くするための下準備です。
油分や不純物を焼き切った後、酸で洗う
>> 彩色〜焼成
色をつけるため、釉薬(粉状の色ガラス)を地金にふりかけます。
細かな模様のすき間にもしっかり色が入るよう、丁寧にまんべんなく盛り付けます。
約800℃の電気炉に入れて、焼成。地金が酸化して黒くなった後、釉薬が溶けたタイミングで取り出します。
高温時には黒く見えていたガラス部分は、温度が下がるにつれ本来の色へと変化
>> 粗研ぎ〜中研ぎ
表面に被さった余分なガラスを切削するように粗研ぎした後、さらに細かい目の砥石を使い、ゲージに入れて平らになるように研磨します。
粗研ぎ
粗研ぎで金属が表面に見えてきた
曲面の砥石で平らになるように磨く、熟練の技術
>> 音波洗浄
研磨剤などの不純物を超音波を使って取り除きます。
>> 中間検品〜足し盛り
表面が均一になっているか、気泡で穴ができたりしていないかを確認します。穴があった場合、筆で釉薬を埋めて微調整します。
手元を拡大しながら、筆を使い釉薬を埋める
>> 仕上げ焼き〜酸洗い
仕上げの焼成を行います。焼成の際に生じたススは酸で洗い、表面をきれいにします。
七宝部分は艶やかに仕上がり、金属部分にススがついている
酸洗いでススを取り除く
>> 仕上げ研磨
布製の「バフ」を回転させながら当て、全体を研磨し、鏡面仕上げにします。
バフを全体にかけ、滑らかに仕上げる
金属部分が鏡のようにピカピカ
③ 完成へ
>> メッキ加工
音波や洗浄液で研磨剤などの不純物を取り除いた後、ニッケルメッキを施します。「ツヤ」や「輝き」が出るだけでなく、耐食性や耐熱性が向上します。
メッキの準備
メッキが終わったチャーム
>> 仕上げ
通常キーホルダーに使用されている丸カンは、引っ張る力に弱く、少しでも隙間ができてしまうと連結が外れるというリスクがあります。重量感のあるチャームであることから強度を重視し、二重丸カンを採用。しっかりとキーホルダー金具を取り付けます。
シックな色合いのパッケージ
箱の身がグレーでフタは黒というシックな色合いの「かぶせ貼り箱」は、強度と見た目の良さを両立した高級感あるパッケージで、プレゼントにもオススメです。マットな質感に合わせて、ロゴが印刷されたトレーシングペーパーを巻き付けました。
検品後のキーホルダーを箱に入れたら、完成です。
■さいごに
いかがでしたか?
ご紹介しましたように、一つひとつ人の手をかけ丁寧に制作しておりますので、大量生産ができないことをご理解いただけますと幸いです。
重厚感ある金属製、かつ七宝は退色や変色しないという特徴がありますので、長くご愛用いただける一品です。
商品の詳細・お買い求めは、以下のページからどうぞ♪
最後に七宝のちょっとした雑学を紹介します。
七宝(しっぽう)とは仏教の教典に出てくる七種の宝のことで、金、銀、瑠璃【るり(青い宝石)】、玻璃【はり(水晶)】、しゃこ貝、珊瑚、瑪瑙【めのう(縞状の鉱物)】であると言われてます。その「七宝」に匹敵するほど美しいことから、その名が付けられたのだとか。
七宝の歴史は古く、その起源は、紀元前エジプトに始まると言われています。かの有名なツタンカーメンの黄金のマスクの髭部分には、七宝が施されているそうです。
七宝はガラス質のため、強い衝撃が加わるとひびが入る場合がありますので、予めご容赦ください。
「Re:ゼロから始める異世界生活 京七宝バーキーホルダー」の詳細はこちら
©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会